活字を拾って秘密出版した内山愚童

 内山愚童は曹洞宗・林泉寺(神奈川県)の住職で,社会主義運動家。16 ページのパンフレット『無政府共産—小作人ハナゼ苦シイカ』(1908 年)などの出版で逮捕され,幸徳事件(大逆事件,1910 年)に連座して刑死しました。『無政府共産』は,寺に活版印刷機を導入し,自身が活字を拾って秘密出版したものです。表紙も自身の手になる木版印刷でした。
 曹洞宗の宗門は有罪判決が出たあと愚童師を擯斥(ひんせき)処分(僧籍剥奪)にしましたが,80 年以上の歳月を経た 1993 年に名誉が回復されました。
参考サイト:
日本アナキズム運動文庫
Wikipedia:内山愚童
執筆:mich(2010/11/28)