小説・漫画・映画

か行

• 『活字よ、本木昌造の生涯』　桐生 悠三 著，印刷学会出版部（1984）
  判明している歴史的事実を基に本木昌造の生涯を描く。
• 『消えた印刷職人 : 活字文化の揺籃期を生きた男の生涯』　ジャン=ジル・モンフロワ著，宮下 志朗 訳，晶文社（1995）
  16世紀の実在の活版職人アベルをモデルに，当時の印刷工房の様子を描く。
• 『銀河鉄道の夜』　宮沢 賢治 著
  活版所での文選のシーンが出てくる。
  ⇒ 『銀河鉄道の夜』の文選シーン

さ行

• 『シカゴ・ブルース』　フレドリック・ブラウン 著
  印刷見習工の主人公エド・ハンターが伯父とともに，ライノタイプのオペレーターだった父を殺した犯人を追うミステリー。原題は The Fabulous Clipjoint (1947)。作者ブラウン自身が元ライノタイプ・オペレーター
• 『私家版』　ジャン=ジャック・フィシュテル 著，榊原 晃三 訳，東京創元社（2000）
  印刷技術を小道具にした書物による完全犯罪。
  ⇒ 書物を用いた『私家版』の完全犯罪
• 『小説 人間革命』　戸田 城聖 著，聖教新聞社（1972）
  創価学会第二代会長・戸田の生涯を描く。この小説では主人公の「巌さん」は印刷工場主の息子ということになっている。
• 『少年印刷工』　茅 盾 著，少年児童出版社（1982）

た行

• 『第三閲覧室』　紀田 順一郎 著，東京創元社
• 『太陽のない街』　徳永 直 著，戦旗社
  共同印刷争議を描いたプロレタリア文学。作者は博文館印刷所で植字工の経験がある。
• 『奪取』　真保 裕一 著，講談社
  偽札作りを軸に展開する長編サスペンス。日本推理作家協会賞と山本周五郎賞を受賞。
  ⇒ 印刷とサスペンスが楽しめる『奪取』
• 『永遠も半ばを過ぎて』　中島 らも 著，文芸春秋
  詐欺師が出版社に謎の原稿を持ち込む。これは電算写植オペレーターが酒と睡眠薬を飲んで電算写植機SP313で紡ぎだしたものだった。『ライ・ライ・ライ』の題で映画化された。

な行

• 『ナインスゲート』　アルトゥーロ・ペレス・レべルテ 著

ま行

• 「ミミズ天使」　フレドリック・ブラウン 著
  ライノタイプが小道具となるファンタジー。原題は The Angelic Angleworm。『天使と宇宙船』（原題：Angels and Spaceships，1954）所収。ブラウンは元ライノタイプ・オペレーター
• 『メディアの興亡』　杉山 隆男 著，文藝春秋
  日本経済新聞の電算写植化をめぐるドラマを描いたノンフィクション小説。
  ⇒ 新聞製作の電算化に挑んだ人々を活写した『メディアの興亡』
• 『文字禍の館』　倉阪 鬼一郎 著，祥伝社文庫（2000）
  変人資産家が建てた非公開テーマパーク「文字禍の館」に，オカルト雑誌編集者らが招待された。漢字に恐怖するホラー小説。紙面の文字使いにも工夫がこらされている。著者は元校正者。
• 『門』　夏目 漱石 著
  「インキを使わない印刷」の話がちらと出てくる。
  ⇒ 漱石『門』に出てくる印刷技術

や行

• 『柔らかな頬』　桐野夏生（1999年）

• 『ナニワ金融道』135発目「一筋の光明が見えてきた」　青木 雄二 著
  企画・制作会社の手動写植機が出てくる。
  ⇒ 『ナニワ金融道』手動写植機を抵当に？
• 『ゴルゴ13』第77巻「隠されたメッセージ」　さいとうたかを 著
  ゴルゴ13がカンマを狙撃する。
  ⇒ カンマを狙撃したゴルゴ13
• 『昭和任侠伝』
  主人公が入れられた刑務所内に印刷工房があり，活版印刷の現場がわずかに出てくる。出現箇所不詳。
• 『光の島』　尾瀬 あきら 著
  沖縄の離島に暮らすことになった主人公の少年は東京の印刷所の息子。実家の場面では印刷現場も出てくる。

• 『男はつらいよ・寅次郎恋愛塾』
  『男はつらいよ』シリーズには朝日印刷という印刷会社が出てくるが，なかでもこの作品は手動写植機が登場。ヒロインはそのオペレーター。
  ⇒ 寅さん，写植機に出会う
• 『Die Weisse Rose』 　監督：Michael Verhoeven，西独（1982）
  反戦ビラを印刷するための小型輪転印刷機が出てくる。
  ⇒ Die Weisse Rose の輪転印刷機
• 『ライ・ライ・ライ（Lie lie Lie）』　監督：中原 俊，主演：豊川悦司・鈴木保奈美・佐藤浩市，日本（1997）
  中島らも『永遠も半ばを過ぎて』の映画化。
• 『ヒトラーの贋札（にせさつ）』　監督・脚本：ステファン・ルツォヴィッキー，ドイツ・オーストリア合作（2008）
  第二次世界大戦中，ナチスはイギリス経済を混乱させるため偽札（ポンド）の大量製造を画策。そのためにドイツ・ザクセンハウゼン強制収容所に集められたユダヤ人技術者たちの苦悩。
• 『チベットの女　イシの生涯』　監督・脚本：シエ・フェイ，出演：テンジン・ドカー，オンドゥ，ラクチュン，中国（2000）
  主人公の夫がマニ石（チベット語で仏教の真言を彫った石）を彫刻するシーンが一瞬出てくる。